ファイナンシャルプランナー(FP)を目指してFP2級まで合格し、さらにAFPにも認定された人は多いと思います。
しかしFP2級までとは違ってAFPは年会費が必要ですし、2年毎の資格更新もあって少し負担に感じることも。
実際には人によって「AFPを更新しない」という選択も「あり」なのです。
詳しく説明しますので、迷ってる人はぜひ最後までお読みください。
AFPを更新しないでOKな人は?
ファイナンシャルプランナー(FP)と呼ばれる資格は、国家資格(3種類)と日本FP協会の資格(2種類)の計5種類です。
国家資格
- FP1級(1級ファイナンシャルプランニング技能士)
- FP2級(2級ファイナンシャルプランニング技能士)
- FP3級(3級ファイナンシャルプランニング技能士)
日本FP協会
- CFP(Certified Financial Planner)
- AFP(Affiliated Financial Planner)
国家資格のFP1級/2級/3級は試験に一度合格すれば永久に有効です。
一方、CFP、AFPは一度認定されても2年毎に研修受講やその他の活動で必要な単位数を取得したうえでの更新が必要です。
資格を更新するか更新しないかで最初に迷うのはAFPだと思いますが、AFPを更新しないでOKな人は次のような人です。
上の3つに該当する人は「AFPを更新しない」という選択も「あり」です。
以下に説明します。
仕事でAFPの肩書を必要としない人
税理士、弁護士、行政書士などは、その資格を取得していないとできない仕事(独占業務)がありますので、資格を保有する必要があります。
しかしファイナンシャルプランナーは独占業務はありませんので資格を持っていなくてもFPの仕事はできます。
またAFPという資格名は残念ながら金融業界以外ではまだ知名度が高くありませんので、顧客に対するアピールになる範囲も限られてきます。
従って金融業界で仕事をしている人で、以下に当てはまる人でなければ、どうしてもAFP資格が必要ということはありません。
- AFPを取得することが社内で推奨されている、またはノルマが設定されている
- AFPを取得することで給料に付く手当や、将来の職務や昇進などに影響がある
会社によってはAFPやCFPよりも国家資格のFP1級、FP2級を重要視していることもありますので、その点も確認しておくと良いです。
CFPを目指さない人
CFPはAFPの上位資格です。
FP1級~3級が日本国内でのみ通用する国家資格であるのに対して、CFPは国際的に共通の資格です。
そしてAFP資格の保有者であることがCFP資格を受験する要件の一つになっています。
よって将来はCFPの取得を考えている人はAFPの資格を保持しておく必要があります。
逆に、CFPを目指さない人は必ずしもAFPを保持しておく必要はありません。
年会費を負担するほどのメリットを日本FP協会に感じない人
AFPを更新すれば引き続き日本FP協会の会員ですから、毎月のFPジャーナル(冊子)配布、現役FPによるセミナーの受講、地域のFPとの横の繋がり(スタディグループ)など、会員ならではのサービスを受けられます。
ただ、ファイナンシャルプランナーとしての継続的な勉強や情報収集などは、必ずしも日本FP協会の会員でなければ不可能というわけではありません。
会員でなくても自分自身の努力で十分に可能です。
従って、日本FP協会のサービスに年会費を払い続けるほどの価値を感じられなければ、そしてとくに「AFP」という資格に思い入れが無ければ、AFPを更新しないで脱会するという判断もできます。
AFPを更新しないメリット/デメリット
ここまでいろいろ書いてきましたが、AFPを更新しないことによるメリット、デメリットを整理しておきます。
AFPを更新しないことによるメリット
AFPを更新しないことによるメリットは、いろいろな費用や手間が省けることです。
日本FP協会の年会費が不要
日本FP協会の年会費(年間12,000円)を支払う必要がなくなります。
AFP更新に必要な単位取得の手間や費用が不要
AFPの更新には2年毎に研修などを通して所定の単位数を取得しなくてはならない要件が定められています。
この要件を満たすためセミナー参加、通信教育の受講、講演や執筆などの活動で少しずつ単位を積み重ねていくことになります。
それぞれ手間や時間、そして費用がかかります。
AFPを更新しないなら、これらが不要となります。
AFPを更新しないことによるデメリット
AFPを更新しないことによるデメリットは主に日本FP協会が提供するサービスを受けられなくなることです。
FP業務に関連する協会からの情報が得られなくなりますので、必要な情報は他の方法で自ら収集することになります。
日本FP協会の月刊誌FPジャーナルが配布されない
毎月初めに日本FP協会から会員に月刊誌FPジャーナル(冊子)が郵送されます。
また同じ内容は会員ホームページ(Myページ)からも参照できます。
FPジャーナルには、関連する法律の改訂などの新しい情報、、FPが直面しがちなケーススタディ、その他、FPが知っておいた方がよい情報が掲載されています。
脱会すればこのFPジャーナルの情報は見られなくなります。
日本FP協会のセミナーや勉強会に参加できない
日本FP協会では会員向けに時事的な話題や初歩的なスキルアップに関する有料のセミナーや勉強会が盛んに開催されています。
これは現役のFP(主にCFP)が講師を担当するもので、参加すれば勉強になります。
地域ごとのスタディグループ(SG)に参加できない
有志の会員が地域ごとにスタディグループ(SG)を作り、独自に継続的に勉強会などを開催しています。
全国の都道府県に協会の支部がありますが、例えば東京支部だけで現時点で60ほどのグループがあります。
メリットの一つがFP同士の横の繋がりができることですが脱会すれば参加できなくなります。
2年毎の更新による最低限の知識のメンテナンスが無い
メリットのところで書きましたように、AFPの更新には2年毎に研修などを通して所定の単位数を取得しなくてはならない要件が定められています。
面倒ではありますが、要件として強制されることでFP知識のメンテナンスができることがメリットとされています。
ただ、そもそも要件で定められている程度の勉強ではFP関連の知識全体を網羅的にメンテナンスするほどのものではありませんので、無くてもそれほどのデメリットではないです。
CFPの取得要件の1つを失う
CFPはAFPの上位資格で国際的な共通資格です。
もしCFPを目指すならAFP資格は必須要件ですので更新しておく必要があります。
AFPを更新しない選択は「あり」?:まとめ
仕事でAFPやCFPの資格を必要とする人、AFP資格を持っていると有利な人、そのほかAFPの肩書で活動を続けたい人は更新するとよいと思います。
しかし、そのような状況でなければ、AFPを更新しない選択も「あり」です。
AFPを更新しないことによるメリット、デメリットをよく考えて決めてください。
なお、AFPの更新について日本FP協会が定めた更新要件については下の記事の中で説明しています。
参考にしてください。
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