社会保険とは?種類は5つ しっかり活用しよう

社会保険の相談 社会保険

社会保険とは、公的に制度が整備されている保険です。

種類は大きく5つあって、その概要を説明します。

個人でも生命保険や損害保険などに加入することが多いです。

しかしその前に、すでに整っている公的な保険についても理解して活用できるものは十分に活用していきましょう。

社会保険の種類

上にも書きましたように社会保険は5種類あります。

  • 医療保険
  • 介護保険
  • 年金保険
  • 労災保険
  • 雇用保険

なお狭い意味で医療保険、介護保険、年金保険の3つだけを社会保険に含めて、労災保険、雇用保険の2つを労働保険と定義する言い方もあります。

このサイトでは上の5つを社会保険とします。

医療保険

公的な医療保険には下の3種類があります。

  • 健康保険: 会社員とその家族が対象(75歳未満)
  • 国民健康保険: 自営業者をはじめ上の健康保険に入らないすべての75歳未満の人が対象
  • 後期高齢者医療制度: 75歳以上のすべての人が対象

この3つで世界でも有名な国民皆保険を実現しています。

健康保険

会社員になじみがあるのが健康保険だと思います。

仕事中のケガは労災ですが、仕事以外のケガや病気、家族のケガや病気など健康面で幅広くサポートしてくれるのが健康保険です。

健康保険には「協会けんぽ(全国健康保険協会管掌健康保険)」と「組合健保(組合管掌健康保険)」の2種類あります。

保険料は被保険者(会社員)の標準報酬月額と標準賞与額、保険料率で決まり、会社と被保険者で半分ずつ折半して負担します。

そして被保険者(本人)一人の保険料で本人と被扶養者(家族)全員がサポートを受けられます。

なお保険料率は、協会けんぽは都道府県ごとに、組合健保も健康保険組合ごとに異なります。

健康保険の給付

健康保険のサポート(給付)にはポピュラーなものから、何度も利用しないものまで含めて次のようなものがあります。

  • 療養費
  • 高額療養費
  • 出産育児一時金
  • 出産手当金
  • 傷病手当金
  • 埋葬料
療養費

病気やケガで医療機関に掛かったときに給付される費用です。

一般には総医療費のうち本人や家族は3割を負担(自己負担)し残りの7割を健康保険が負担します。

ただし小学校入学前の子どもや、70歳以上で現役並みの所得がない人は自己負担は2割です。

高額療養費

医療費が高額になると自己負担額も多くなりますが、それが「自己負担限度額」を超えた場合は、超えた部分については後で請求すれば返金を受けられます。

この自己負担限度額は、収入や年齢(70歳未満/以上)によって異なります。

出産育児一時金

被保険者(本人)または被扶養者(本人が男性の場合の妻)が出産したら、子ども1人につき42万円が支給されます。

出産手当金

本人が出産のために仕事を休んで給与が支給されない場合に出産手当金が支給されます。

支給されるのは出産前42日間と出産後56日間のうちで仕事を休んだ日数分の金額が支給されます。

支給される1日当たりの金額は次の通りです。

1日当たりの支給額 = 標準報酬月額の平均(※) ÷ 30日 ×2/3

※支給開始日以前12ヶ月間の各月の標準報酬月額の平均

傷病手当金

本人が病気やケガで会社を3日以上続けて休んで給与が支給されない場合に傷病手当金が支給されます。

支給されるのは休んだ4日目からの日数分で最長で1年6ヶ月分です。

支給される1日当たりの金額は次の通りです。

1日当たりの支給額 = 標準報酬月額の平均(※) ÷ 30日 ×2/3

※支給開始日以前12ヶ月間の各月の標準報酬月額の平均

埋葬料

本人が死亡した場合に家族に5万円が支給されます。

また被扶養者(家族)が死亡した場合は本人に5万円が支給されます。

老後の医療保険

会社員の人は現役の間は健康保険に加入していますが退職すればその資格を失います。

誰もが75歳になると後で述べる後期高齢者医療制度に移行しますが、退職から75歳になるまでのなんらかの医療保険に入る必要がありますが、いくつかの選択肢があります。

国民健康保険の被保険者となる

退職の翌日から14日内に市区町村に申請すれば国民健康保険の被保険者になれます。

会社員時代と違って保険料は全額自己負担となりますが、そのまま75歳まで国民健康保険の被保険者でいられます。

健康保険の任意継続被保険者となる

退職前の健康保険で継続して2ヶ月以上、被保険者だった人は退職の翌日から20日以内に申請すれば、退職前の健康保険の任意継続被保険者になれます。

任意継続被保険者になっても従来の健康保険の時と給付やサービスの内容はほぼ変わりませんが、保険料は全額自己負担となります。

なお任意継続被保険者でいられるのは最長で2年ですので、その後はまた別の医療保険に加入する必要があります。

特例退職者医療制度(特例退職被保険者制度)に加入する

一部の健康保険組合では特例退職者医療制度(特例退職被保険者制度)を運営していて、申請すれば退職前と同じ健康保険に加入し続けることができます。

保険料は全額自己負担となりますが退職前までとほぼ同じ給付やサービスを75歳になるまで受けることができます。

ただしこの制度を運用している健康保険組合が非常に少ないです。(全国で約60組合)

さらに加入するには下のような要件がありますので実際に加入できる人は多くないです。

  • 退職前の健康保険の被保険者期間が20年以上ある人、または40歳以降で10年以上ある人
  • 老齢年金の受給資格がある人
再就職先の健康保険に入る

退職後に別の会社に再就職する場合は、新しい会社の健康保険に加入できます。

被扶養者になる

家族の誰かに扶養してもらえるのなら、その家族(被保険者)の加入している健康保険の被扶養者となることができます。

その場合は保険料の負担はありません。

国民健康保険(国保)

自営業者をはじめ上の健康保険に入らないすべての人が対象となります。

健康保険と同様にケガや病気など健康面で幅広くサポートしてくれます。

保険料は前年の世帯の所得や人数で計算され、市区町村によって金額が異なります。

また保険料は被扶養者も含めた世帯としての金額となり、健康保険とは違って被保険者(世帯主)が全額を負担する必要があります。

国民健康保険の加入者は75歳になると後で述べる後期高齢者医療制度に移行します。

国民健康保険の給付

国民健康保険の給付は次のものです。

  • 療養費
  • 高額療養費
  • 出産育児一時金
  • 埋葬料

健康保険とほぼ同じ内容ですが、出産手当金と傷病手当金はありません。

後期高齢者医療制度

75歳以上のすべての人が対象となる医療制度です。

それまで健康保険、国民健康保険の被保険者だった人も75歳になると、それらの資格を喪失して後期高齢者医療制度に移行します。

また65歳以上75歳未満で都道府県の後期高齢者医療広域連合に障害認定を受けた人も対象となります。

保険料は都道府県の後期高齢者医療広域連合で決定され、市区町村が年金から天引きで徴収します。

医療を受けた際の自己負担は1割です。(現役並みの所得のある人は3割負担です。)

介護保険

介護または要支援と認定された40歳以上の人に必要な給付が行われます。

65歳以上の第1号被保険者と40歳以上65歳未満の第2号被保険者では保険料の算出方法が異なります。

給付を受ける際の自己負担は原則は1割ですが所得によっては2割、3割となることがあります。

年金保険

若いうちから保険料を払い続けることで65歳から年金として受け取れる制度です。

公的な年金は誰もが加入することになっている国民年金と、会社員や公務員が加入する厚生年金があります。

なお年金については内容が多岐にわたるため、下の記事で詳細を説明しています。併せてご一読ください。

⇒ 公的年金の制度と種類 知らないと損するかも!?

労災保険

業務上あるいは通勤途上で労働者が病気、ケガ、障害を負ったり死亡した場合に給付が行われます。

基本は雇われているすべての労働者が対象で、保険料は事業主が全額を負担します。

社長や役員など経営者は加入できませんが、1人で事業を行っている個人事業主など経営者でありながら労働者の側面を持つ人は任意で特別加入できます。

労災保険の給付内容

業務災害と通勤災害で実質的に同じ内容の給付が受けられます。

業務災害の給付

  • 病気・ケガ: 療養補償給付、休業補償給付、傷病補償年金
  • 障害: 障害補償給付
  • 介護: 介護補償給付
  • 死亡: 遺族補償給付、葬祭料

休業補償給付は、労働者が病気などで休業した場合に4日目から1日当たり給付基礎日額の60%が支給されます。

通勤災害の給付

  • 病気・ケガ: 療養給付、休業給付、傷病年金
  • 障害: 障害給付
  • 介護: 介護給付
  • 死亡: 遺族給付、葬祭給付

休業給付は、労働者が病気などで休業した場合に4日目から1日当たり給付基礎日額の60%が支給されます。

雇用保険

労働者が失業した際の給付(失業保険)や、労働者の就職や再雇用、スキルアップを支援する給付を行います。

給付内容は主に下の4つです。

  • 基本手当(求職者給付)
  • 就職促進給付
  • 教育訓練給付
  • 雇用継続給付

基本手当(求職者給付)

失業した労働者で働く意思がある人に給付されます。(失業保険)

給付内容

離職前6ヶ月間の平均の賃金日額の45~80%が給付されます。

給付される期間は失業者の年齢や被保険者であった期間、失業の理由によって異なります。

失業理由が自己都合や定年退職だった場合は最低で90日分(被保険者期間が10年未満)、最大で150日分(被保険者期間が20年以上)給付されます。

失業理由が会社の倒産や会社都合の解雇だった場合には、失業者の年齢や被保険者期間により最低で90日分、最大で330日分を給付されます。

受給の要件

基本手当を受給できる要件は、離職前の2年間に被保険者期間が通算で12ヶ月以上あることです。

ただし会社の倒産や解雇で離職した場合は、離職前の1年間に被保険者期間が通算で6ヶ月以上あれば給付されます。

基本手当を受給するには

離職したら居住地のハローワークに離職票を提出して求職を申し込みます。

基本手当はあくまでも再就職して働く意思のある人に給付されるのが原則なのでこのような流れになります。

なお“待機期間”というルールがあって、求職の申込みから7日間は支給されません。

さらに自己都合で失業した場合は“給付制限”というルールもあって、さらに原則3ヶ月間は支給されません。

就職促進給付

早期に再就職できることを目的として、ある一定の条件を満たせば、再就職手当、就業促進定着手当、就業手当などが支給されます。

教育訓練給付

厚生労働大臣が指定した講座を労働者が自費で受講して修了した場合に、費用の一部が支給されます。

一般教育訓練給付金と専門実践教育訓練給付金の2種類あります。

一般教育訓練給付金

雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めての受講の場合は1年以上)ある労働者が、厚生労働大臣が指定した講座を自費で受講し修了すると給付されます。

給付額は受講料などの20%相当額です。(上限は10万円)

専門実践教育訓練給付金

雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めての受講の場合は2年以上)ある労働者が、厚生労働大臣が指定した専門的で実践的な講座を自費で受講し修了すると給付されます。

給付額は受講料などの50%相当額です。(上限は年間40万円で3年まで)

資格を取得して就職に繋がれば、さらに20%プラスされます。(上限は年間56万円)

また“45歳未満の離職者”など一定の条件を満たせば教育訓練支援給付金として、教育訓練の期間中に給付を受けることができます。

この場合の給付額は基本手当相当額の80%になります。

雇用継続給付

雇用の継続を促すために、高齢者や育児を行っている人、介護を行っている人に給付されます。

下の3種類になります。

  • 高年齢雇用継続給付
  • 育児休業給付
  • 介護休業給付

高年齢雇用継続給付

60歳以上65歳未満の雇用されている人で、60歳到達時に比べて75%未満の賃金月額で働いている人が対象です。

各月の賃金額の最大15%相当額が高年齢雇用継続基本給付金として支給されます。

要件は被保険者の期間が5年以上あることです。

また失業して基本手当を受給後に再就職すると高年齢再就職給付金が支給されます。

育児休業給付

満1歳未満の子を養育するために育児休業を取得すると支給されます。

給付額は休業前の賃金の67%相当額です。(6ヶ月経過後は50%相当額になります)

介護休業給付

家族を介護するために休業した場合に支給されます。

給付にあたっては介護する家族の範囲や介護の必要度、期間、回数などの条件があります。

まとめ

公的な社会保険だけでも多岐にわたって整備されていることが分かります。

しかし自分から申請しないと給付されないものも多いです。

何かイベントを経験したら制度を確認し十分に活用したいものです。

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