ファイナンシャルプランナー(FP)という言葉、時どき耳にしますが、国家資格なのか民間資格なのか、そもそも正式名称は何なのか分かりにくいです。
実はFP(ファイナンシャルプランナー)には国家資格と民間資格があります。
この記事では両者の種類による違いも含めて整理して説明します。
FP資格の取得多少なりとも考えている人は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
FP(ファイナンシャルプランナー)の国家資格と民間資格 種類による違い
まず最初に、ファイナンシャルプランナー(FP)という名前の資格は存在しません。
一般にファイナンシャルプランナー(FP)と呼ばれる資格は、厚生労働省による国家資格(3種類)と日本FP協会の資格(2種類)の総称として使われています。
- 国家資格:1級/2級/3級ファイナンシャルプランニング技能士(FP1級/FP2級/FP3級)
- 日本FP協会:CFP(Certified Financial Planner)、AFP(Affiliated Financial Planner)
国家資格のFP1級/2級/3級は一度合格すれば終生の資格ですが、日本FP協会のCFP、AFPは認定後も研修などで単位を取得して2年毎に更新する必要があります。
資格取得の難易度としては以下のようになります。
FP3級 ⇒ FP2級 ⇒ AFP ⇒ FP1級/CFP
最も基本的な知識が得られるのはFP3級で、その上のFP2級、AFPまでは難易度もそれほど高くなく独学でも十分に取得可能です。
なお日本FP協会のCFPは、国際CFP組織のFPSB(Financial Planning Standards Board Ltd.)のもとで、北米、アジア、ヨーロッパ、オセアニアを中心に世界25カ国・地域(2022年3月現在)で導入されている世界で共通の資格です。
なお目指す資格による勉強の進め方のついてのメリット、デメリットについては、下の記事でも説明しています。
参考にしてください。
⇒ AFP認定研修とFP3級 どっちを受ける?向いてる人とメリット・デメリット
FPの資格を仕事で使うならAFP以上を目指そう
大ざっぱに言って、自分自身の勉強のために取得するのであればFP3級またはFP2級までの知識でほぼ十分です。
ただ世間で実務能力があるとみなされて就職や転職に有利になるのはFP2級以上です。
ですからFP資格を仕事で活用するのであればFP2級は必ず取得しましょう。
そして、できれば次の2つの理由でAFP以上を目指すことをお勧めします。
提案書の作成スキルが身につく
FPの資格を取得するためには、いわゆるFPの6分野について勉強します。
これらの知識は究極的には「お客様のお金に関する最適なライフプランを設計して提案する」ことを目的としています。
勉強したすべての知識を駆使して、お客様のお金の現状を分析し、さらにはお客様の人生における希望を聞きながら最適なプランを考えて提案するのです。
この提案書の作成スキルを身につけられるのがAFP、正確にはAFP認定研修で、研修の中の提案課題に合格することでAFP認定されるのです。
FPとして仕事をするなら提案書の作成スキルはぜひ身につけておきたいです。
知識が古びない
上にも書きましたように、国家資格のFP1級、FP2級、FP3級は試験を受けて一度合格すれば一生の資格になります。
したがって、合格後は勉強や情報収集を怠って知識が古びていくことが往々にして起こります。
一方で日本FP協会のCFP、AFPは、認定後も研修などで単位を取得して2年毎に更新する必要があります。
実際のところ更新のための研修そのものは難しいものではありませんが、更新が必要ということで普段から関連法規の改訂や業界の動向に目が向くようになります。
新しい知識を継続的に学ぶと同時に、FPとしての自覚、姿勢をキープする効果もあります。
FP(ファイナンシャルプランナー)資格の取り方
上の図のように国家資格のFP1級/2級/3級と民間資格のCFP/AFPの取得ルートは密接に関係しています。
ここでは各資格の取り方について簡単に書いておきます。
詳しい内容は別の記事で説明していますので、したのそれぞれのリンク先の記事でご確認ください。
FP3級の取り方
FP3級は、独学または通信講座などで勉強した後に、FP3級の試験(技能検定)を受けて合格すれば取得できます。
個人的には独学で十分に合格可能と考えています。
筆者自身の経験から記事にまとめましたので参考にしてください。
⇒ ファイナンシャルプランナー(FP)3級と2級 独学で期間は計7ヶ月 26,530円で資格を取得できました
FP2級の取り方
FP2級も試験(技能検定)を受けて合格すれば取得できますが、その受験資格を得るには下の3つのどれかを満たす必要があります。
FP2級合格後にAFPまで取得するのであれば、初学の段階からAFP認定研修(基本課程)を修了する方法が分かりやすいです。
詳しくは下の記事で説明していますので参考にしてください。
⇒ AFPの取り方は2つ、FP2級は3つ ルートを選んでからスタートしよう!
AFPの取り方
AFPは試験を受けて合格するものではなく、日本FP協会のAFP資格登録要件を満たせばAFPとして認定されます。
つまり国家資格のFP2級に合格していて、AFP認定研修で提案書の作成スキルを身につけていれば、AFPとして認定されます。
このAFP認定研修には「基本課程」と「技能士課程」の2種類あって、修了することで次のものが獲得できます。
- 基本課程: FP2級までの知識とFP2級受験資格、提案書の作成スキル
- 技能士課程: 提案書の作成スキル
AFP認定研修(基本課程)を修了すればFP3級を受験することなくFP2級を受験できます。
よって、AFPの資格登録要件(FP2級合格と提案書作成スキル)を満たす方法は2種類になります。
- AFP認定研修(基本課程)を修了後にFP2級を受験して合格
- FP2級の合格後にAFP認定研修(技能士課程程)を修了
AFPを取得する予定なら、初学の段階からAFP認定研修(基本課程)を受講して進めるのがシンプルです。
詳しくは下の記事で説明していますので参考にしてください。
⇒ AFPの取り方は2つ、FP2級は3つ ルートを選んでからスタートしよう!
⇒ AFP認定研修おすすめは?トータルで費用が安いのは基本課程
CFPの取り方
CFPになるには、まずAFPに認定されていることが前提です。
そのうえで以下の4つのポイントをすべてクリアすることが必要です。
以上を満たせばCFPに認定されます。
FP1級の取り方
FP1級もFP2級、FP3級と同様、学科試験と実技試験を受験し合格すれば資格が得られます。
順番としては先に学科試験合格、次に実技試験合格でFP1級を取得できます。
なお学科試験を実施しているのは「きんざい」のみで、実技試験は「きんざい」と日本FP協会で実施しています。
FP1級の学科試験は、かなり難易度が高い試験です。
市販のテキストや問題集、専門家の動画だけでなく通信講座も検討したほうが良いです。
⇒ 【2024年】FP1級の通信講座 おすすめは?全4社を内容と安い受講料で比較!
きんざいも日本FP協会も実技試験の受験資格は同じですが、試験の内容はかなり違います。
ご自身と相性の良い方で受験して少しでも合格の確率が高めてください。
下の記事で説明していますので参考にしてください。
⇒ FP1級の実技試験 きんざいと日本FP協会 どっちの受験が有利?たくさん違いがあります!
FP(ファイナンシャルプランナー)の国家資格と民間資格の違い:まとめ
FP(ファイナンシャルプランナー)には厚生労働省の国家資格(FP1級、FP2級、FP3級)と日本FP協会のCFP、AFPがあり、両者は関連しています。
FP1級、FP2級、FP3級はFPとしての知識の修得が主で、CFP、AFPは、さらにお客様に向けてのコンサルや提案を重視しています。
FP資格は仕事で活用できるのはもちろん、自身の生活やライフプランにも大いに役立つ資格です。
ぜひ目指してみてはいかがでしょうか。
⇒ ファイナンシャルプランナー資格が自分のためにも役立つ9つのシーン!何級まで取ればいい?
なお仕事で活用する場合はFP2級/AFPまでは取得しておくことをお薦めします。
その際には、初学の段階からAFP認定研修(基本課程)の受講からスタートすれば、FPで必要な知識を体系的に学べて、さらにFP2級受験資格、提案書作成スキルも獲得できますのでお勧めです。
詳しくは下の記事でご確認ください。
⇒ AFP認定研修おすすめは?トータルで費用が安いのは基本課程