FP(ファイナンシャルプランナー)も宅建(宅地建物取引士)も仕事では武器になる資格です。
FPと宅建では共通してカバーする範囲もありますので、両方の資格を取ってダブルライセンスになれば、さらに有利になります。
この記事ではFPと宅建のダブルライセンスのメリットや資格を取得する際の難易度について説明します。
ぜひ最後までお読みください。
なおFP1級の学科試験はも、かなり難易度が高い試験です。
市販のテキストや問題集、専門家の動画だけでなく通信講座も検討したほうが良いです。
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FPと宅建の仕事の分野

FPも宅建(宅地建物取引士)も仕事に活かせる人気の資格ですが、カバーする分野には違いがあります。
FPの仕事の分野
FPは下のようなお金に関する全分野(FP6分野)についての幅広く深い知識を持っています。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
この幅広いお金関連の知識を活用してお客様へのアドバイスを行うことができます。
そしてFPの知識は自身の生活にも役立つことが多いことからも分かるように、主に個人や個人企業のお客さまを対象としています
⇒ ファイナンシャルプランナー資格が自分のためにも役立つ9つのシーン!何級まで取ればいい?
なおFPの資格には国家資格のファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級、FP2級、FP3級)と、民間資格である日本FP協会のAFP、CFPがあります。
この記事では、仕事に活かす目的で取得されていることが多いFP1級、FP2級、AFP、CFPを想定しています。
宅建(宅地建物取引士)の仕事の分野
宅地建物取引士(宅建士)は不動産取引に関連した独占業務を持つ国家資格です。
具体的には以下の業務が宅建士の独占業務とされています。
- 宅建業法第35条に定める重要事項の説明
- 同第35条に定める重要事項説明書への記名
- 同第37条に定める書面(契約書等)への記名
(出典:一般財団法人不動産適正取引推進機構 宅建試験の概要)
宅建士は、不動産契約の内容説明や契約の締結など、適正な不動産取引を進めるうえで必須の資格です。
FPと宅建のダブルライセンス 相性がいいのは不動産

FPと宅建のダブルライセンスは不動産分野でとても相性が良いです。
FPとして住宅ローン、取得や相続などの税金、不動産の資産運用など不動産分野でより専門的なアドバイスがや、資産運用や税金対策も併せた幅広い提案もできるようになります。
また宅建士として、法令上のリスクや価格の妥当性を適切に評価することができるようになります。
FP(FP1級、FP2級)と宅建 どっちが難しい?

ダブルライセンスを活かすのであればFPと宅建を両方とも取得したいですが、どっちを先に取るか、あるいは同時並行で目指すのかは、勉強に充てられる時間や実務経験など個人個人の状況によります。
取得に必要な勉強時間の目安、受験資格、試験の合格率などを全体としてみると、FP2級は最も難易度が低いです。
合格率は宅建が最も低く難しそうですが、FP1級は受験資格を満たすまで段階がありますので、どっちが難しいとは一概には言えません。
以下にそれぞれのデータを掲載しておきますので参考にしてください。
なお上でも書きましたようにFPの資格には国家資格のファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級、FP2級、FP3級)と、民間資格である日本FP協会のAFP、CFPがあります。
ここでは、仕事に活かす目的で取得されていることが多いFP資格のうちFP1級とFP2級を比較対象とします。
AFPはFP2級とAFP認定研修で認定されますのでFP2級と同等レベルと考えてよいです。
CFPの難易度はFP1級と大まかには同等と考えて良いです。
FP1級とCFPの難易度については下の記事で詳しく説明していますので参考にしてください。
⇒ FP1級とCFP どっちが難しい?合格率で比較!両方を効率的に取るには?
FPと宅建の勉強時間の目安
一般にFPの合格に必要な勉強時間の目安は、FP3級は80~150時間、FP2級は150~300時間で、FP1級はFP2級の勉強時間の2倍で600時間とされています。
そして宅建の合格に必要な勉強時間は200~300時間とされています。
単純な時間の比較ではFP2級と宅建がほぼ同じですね。
FPと宅建の受験資格
FP1級、FP2級、宅建の受験資格を説明します。
宅建に比べてFPとくにFP1級は受験資格を満たすまでに前段階の試験合格や実務経験など、少なからず道のりがあることが分かります。
FP1級の受験資格
FP1級は学科試験に合格後に実技試験に合格することで資格を取得できます。
- 学科試験: 金融財政事情研究会(きんざい)の学科試験、または日本FP協会のCFP資格審査試験
- 実技試験: 金融財政事情研究会(きんざい)または日本FP協会の実技試験
次のどれかに該当すれば受験資格があります。
- FP2級の合格者で、FP業務で1年以上の実務経験がある
- FP業務で5年以上の実務経験がある
- 金融渉外技能審査2級の合格者で、1年以上の実務経験がある
日本FP協会のAFPに認定されていること
実技試験の受験資格については、きんざいも日本FP協会も同じです。
次のどれかに該当すれば受験資格があります。
- きんざいのFP1級学科試験の合格者
- FP養成コース(きんざい実施)の修了者で、FP業務で1年以上の実務経験がある
- 日本FP協会のCFP認定者
- 日本FP協会のCFP資格審査試験の合格者
なお日本FP協会のAFPに認定されにはFP2級に合格していることとAFP認定研修を修了していることが要件になります。
また学科試験(またはCFP資格審査試験)と実技試験は、きんざいと日本FP協会でクロスして受けることもできます。
各試験の受験資格の詳細は下の記事を参照してください。
⇒ FP1級の受験資格と合格までの4つのルート!実務経験なし面接苦手でも取れます
FP2級の受験資格
FP2級になるにはFP2級の試験を受けて合格する必要がありますが、下の3つのどれかに当てはまれば受験資格があります。
下記1)~3)のいずれかに該当する者
- 日本FP協会認定のAFP認定研修(基本課程)を修了した者
- 3級FP技能検定の合格者、金融渉外技能審査3級(旧審査試験)の合格者
- FP業務に関し2年以上の実務経験を有する者
(出典:日本FP協会 3級・2級FP技能検定 試験要綱)
宅建の受験資格
宅建の受験資格は下の通りで、特にありません。
日本国内に居住する方であれば、年齢、学歴等に関係なく、誰でも受験できます。
(出典:一般財団法人不動産適正取引推進機構 宅建試験の概要)
FPと宅建の試験の合格率
FP1級、FP2級、宅建の合格率を記載します。
合格率だけで見るとFP2級はもちろん、FP1級よりも宅建の方が難しいと判断できます。
なおFP1級、FP2級、宅建を含む16の資格の合格については下の記事にまとめていますので参考にしてください。
⇒ FP1級はすごい?2020年からの合格率で見る16資格の難易度ランキング
FP1級の合格率
上でも書きましたようにFP1級は、きんざいの学科試験または日本FP協会のCFP資格審査試験に合格したうえで、きんざい、または日本FP協会の実技試験に合格する必要があります。
それぞれの試験の近年の合格率は次の通りです。
学科試験(またはCFP資格審査試験)の合格率が低く、難易度が高いことが分かります。
試験 | 実施 | 合格率 |
---|---|---|
FP1級 学科試験 | きんざい | 5%~15%程度 |
CFP資格審査試験 | 日本FP協会 | 30%~40%程度 |
FP1級 実技試験 | きんざい | 85%前後 |
FP1級 実技試験 | 日本FP協会 | 95%前後 |
各試験の受験者数/合格者数/合格率の各回(実技試験は課目毎)の詳細データは下の記事に掲載していますので参考にしてください。
⇒ FP1級の合格率と合格点、受験者数、難易度 – 学科試験は難関!実技試験は?
なおFP1級の学科試験(きんざい)やCFP資格審査試験(日本FP協会)は独学も良いですが、難関ですので通信講座の利用も検討したいです。
今は受講料が安い講座も多いです。
下の記事でチェックしてみてください。
⇒ FP1級の通信講座 おすすめは?全4社を受講料が安いランキングと内容で比較!
⇒ CFP通信講座の比較ランキング!おすすめの講座で資格審査試験を最速突破しよう
FP2級の合格率
FP2級は学科試験と実技試験の両方に合格すれば認定されます。
学科試験、実技試験とも日本FP協会、きんざいの両方で実施されており、どちらで受験しても構いません。
それぞれの試験の近年の合格率は次の通りです。
試験 | 実施 | 合格率 |
---|---|---|
FP2級 学科試験 | 日本FP協会 | 40%~55%程度 |
FP2級 学科試験 | きんざい | 15%~30%程度 |
FP2級 実技試験 | 日本FP協会 | 55%~70%程度 |
FP2級 実技試験 | きんざい | 30%~70%程度 |
各試験の受験者数/合格者数/合格率の各回(実技試験は課目毎)の詳細データは下の記事内に【参考】として掲載しています。
⇒ FP1級の合格率と合格点、受験者数、難易度 – 学科試験は難関!実技試験は?
宅建の合格率
2020年度以降の宅建の合格率は下の通りです。
受検 申込者数 | 受検者数 (A) | 合格者数 (B) | 合格率 (B/A) | |
---|---|---|---|---|
2024年度 | 301,336 | 241,436 | 44,992 | 18.6% |
2023年度 | 289,096 | 233,276 | 40,025 | 17.2% |
2022年度 | 283,856 | 226,048 | 38,525 | 17.0% |
2021年度(12月) | 39,814 | 24,965 | 3,892 | 15.6% |
2021年度(10月) | 256,704 | 209,749 | 37,579 | 17.9% |
2020年度(12月) | 55,121 | 35,261 | 4,610 | 13.1% |
2020年度(10月) | 204,163 | 168,989 | 29,728 | 17.6% |
計 | 1,139,724 | 199,351 | 17.5% |
(データの出典:一般財団法人不動産適正取引推進機構 宅建試験)
かなりの難関であることが分かります。
独学も良いですが通信講座(eラーニング講座)の利用も検討したいです。
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FPと宅建のダブルライセンス:まとめ

FPと宅建、どっちも仕事を進めるうえで強力な武器となる資格で、両方とも取得してダブルライセンスになれば、とくに不動産の分野で仕事の幅が広がります。
しかし、どっちも難易度が高い資格ですので資格取得までのロードマップを描いて着実に進めましょう。
なお宅建以外にもFPとダブルライセンスにすることで相乗効果で仕事の幅が拡がる資格があります。
下の記事で説明していますので、ぜひ参考にしてください。
⇒ FPとダブルライセンス おすすめ6選!税理士、宅建士、簿記、行政書士、社労士、中小企業診断士