定年後の再雇用で給与はどれぐらい下がる? 平均を調べてみました

給与のグラフを見る男性 ライフプラン

会社を定年退職して再雇用されると給与が大きく減ると言われます。

ある調査では定年後再雇用の給与の減少率は2割~5割が大勢でした。

また再雇用後の年収の平均や給付されるお金についても調べました。

定年後の進路を考える参考にしてください。

定年後再雇用の給与、年収は?

給与明細と給料袋、万札

まずはデータを確認してみましょう

ここでは独立行政法人 労働政策研究・研修機構の2つの調査結果を掲載します。

定年後再雇用の給与は2割~5割減る

定年後の雇用継続前後でどの程度賃金が減少したかを調査した結果です。

60代の前半も後半も賃金の減少率は21%から50%あたりが中心であることが分かります。

60~64歳(997千人)

賃金の減額率人数の割合
1%~5%2.2%
6%~10%2.7%
11%~15%3.1%
16%~20%4.9%
21%~30%15.4%
31%~40%15.4%
41%~50%24.8%
51%~60%12.8%
61%~70%10.7%
71%~4.4%
無回答3.6%

65~69歳(824千人)

賃金の減額率人数の割合
1%~5%0.0%
6%~10%2.8%
11%~15%1.4%
16%~20%12.1%
21%~30%21.8%
31%~40%12.5%
41%~50%23.0%
51%~60%7.6%
61%~70%3.5%
71%~5.5%
無回答9.8%

 出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構
    「60代の雇用・生活調査」結果(2015年1月30日)

継続雇用者の平均年収は374.7万円

60代前半のフルタイム勤務・継続雇用者の平均的な年収も調べています。

全体の平均は374.7万円ですが業種によっても平均年収が異なるようです

例えば金融・保険業の平均が506.8 万円、サービス業の平均が325.1 万円などです。

年収会社の割合
100万円未満7.2%
100万~200万円未満1.3%
200万~300万円未満16.5%
300万~400万円未満32.3%
400万~500万円未満20.4%
500万~600万円未満8.8%
600万~700万円未満3.8%
700万円以上3.8%
無回答5.8%

出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構
    高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)(2020年3月31日)

なぜ再雇用で給与は減るのか

給与が減る直接的な理由は、再雇用のために会社との間で契約し直すことにあります。

高年齢者雇用安定法では定年は60歳以上とされてますが、60歳以上の雇用については下の3つのうちどれかを選択することにっています。

  • 定年の廃止
  • 65歳まで定年を引上げる
  • 65歳までの継続雇用制度を導入する

多くの会社は3つ目の「継続雇用制度を導入する」を選択していて、この継続雇用制度で、従業員が定年を迎えた際にあらためて契約し直すことにしています

その際に会社には従業員を定年前と全く同じ条件で再雇用する義務はありません。

よって会社としては正社員から嘱託、契約社員に変更することも可能ですし、その他の労働条件も変更し新しい雇用形態で労働契約を結ぶことができます。

給与についても、年齢によるパフォーマンス低下、業務の変更など理由を付けて給与を変更することができるのです。

なかには特に優秀な社員を厚遇する会社もありますが、上のデータにもありますように多くは数十パーセントの減給になります。

給付されるお金もある

預金通帳と現金、電卓、ボールペン

給与は減らされる人が殆どですが、逆に給付されるお金もあります。

高年齢雇用継続給付金

60歳以上65歳未満の人が再雇用も含めて継続雇用される際に、60歳到達時の賃金月額の75%未満の賃金で働く場合に受け取れる給付金です。

雇用保険の被保険者期間が5年以上あることが条件で、給付額は各月の新賃金の最大15%相当額です。

例えば60歳到達時点で賃金月額が40万円だった人が再雇用で20万円に減った場合は3万円が給付されます。

老齢厚生年金、老齢基礎年金

再雇用で働いていても65歳になれば老齢厚生年金と老齢基礎年金が給付されます。

誕生日によっては“特別支給の老齢厚生年金”も給付される人もいるでしょう。

これらの年金は再雇用で働いていても給付されますが、再雇用の賃金の額によって一部、または全部の給付が停止されることがあります

65歳以上の場合、老齢厚生年金の基本月額と再雇用の賃金月額の合計が47万円を超えると老齢厚生年金の一部または全部の給付が停止されます。

60前半で“特別支給の老齢厚生年金”を給付されている人は、この年金の月額と再雇用の賃金月額の合計が28万円を超えると年金の一部が停止されます。

なお、この「28万円」は将来は「47万円」に変更されることが決まっています。

再雇用、再就職どちらがトク?

考える男性

定年を迎えた人が働きに行く場は再雇用だけではありません。

いま勤めている会社を退職して別の会社に再就職する方法もあります。

どちらがいいんでしょうか?

再就職のメリット、デメリット

まず再就職を選んだ場合に考えられるメリット、デメリットを考えてみます。

再就職のメリット

  • 新しい就職先が見つかるまで求職中は失業手当(失業保険給付、雇用保険の基本手当)が支給される。就職先が決まったら再就職手当が支給される。
  • 現在の会社よりも仕事内容、給与、通勤などの条件が良い会社が見つかることもある
  • 再就職先で給与の額によって高年齢再就職給付金が給付される(最大2年間、受給要件は再雇用の高年齢雇用継続給付金と同じ)

再就職のデメリット

  • 資格や特別なスキルなど他の人よりもアドバンテージがないと希望する職種や給与の条件を満たす会社が見つかりにくい
  • 職場の環境が事前には分からず入社後に問題に気づくことがある
  • 職場で新たに人間関係を構築しなければならない
  • 再就職できなければ働く場がなくなる

再雇用のメリット、デメリット

最雇用の場合はどうでしょうか

再雇用のメリット

  • 職場の環境、人間関係などが予め分かっている、慣れている
  • 自分が担当する業務内容が具体的に分かっている
  • 給与が下がっても高年齢雇用継続給付金である程度はカバーできる

再雇用のデメリット

  • 職場の人間関係に問題があっても環境を変えられない
  • 仕事内容の変更を希望しても叶えられないこともある
  • 給与に不満があっても、これまでの実績や会社の規定で決められてしまっている

オススメは再雇用

再雇用では、これまでの職場で、これまでとほとんど同じ業務に携わることが多いです。

したがって定年になって再雇用に切り替わってもストレスなく業務に入ることができます。

再雇用では1年毎に契約を更新することが多いですから、勤め始めても1年毎に辞めるタイミングがあるとも言えます。

ですから、まずは契約して働きながら、働き甲斐、他の収入、年金受給などの状況の変化を勘案して毎年の契約更新を検討することをお薦めします。

まとめ:勤め先の会社の再雇用制度を確認してみよう

60歳以上の継続雇用が法的にも進められた結果、誰でも希望すれば再雇用されるようになったことはありがたいことです。

ただし正社員から契約形態が変わることで給与が下がったり勤務日数、休暇、手当など変更される条件もあります。

自分の場合はどうなるのか、あなたの会社の再雇用制度を一度は確認してみることをお薦めします。

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