あなたの会社では定年後に再雇用で働いたら給与はどうなりますか?
- 現在より大きく下がるんじゃないかな
- 定年近くにならないと会社からの説明は無さそう
- 会社に規定はあると思うけど確認してない
定年後に再雇用で働くとなると、ある程度は給与が下がると感じていながら情報が無い、あるいは自分でちゃんと調べていないという人が多いようです。
この記事では、定年後の再雇用で給与が減った割合などを調査した結果や再雇用後に給付されるお金について紹介します。
この記事を読むことで次のことが分かります。
- 定年後の賃金は「6~7割程度」が最多
- 高年齢雇用継続給付金など再雇用で給付されるお金がある
- 給与の額によっては老齢厚生年金の給付に影響する
定年後に再雇用で働くかどうか決めるにあたって、再雇用の給与の平均を認識しておけば定年が近づいた時に自分で動けるようになります。
まずは自分の勤め先の会社の再雇用制度を確認してみましょう。
定年後の再雇用の給与、年収の平均は?

まずはデータを確認してみましょう。
ここでは内閣府と厚生労働省の調査結果を掲載します。
定年後の賃金は「6~7割程度」が最多
定年後の雇用継続前後でどの程度賃金が増減したかを企業に調査した結果です。
内閣府が2024年3月に実施した企業アンケート(調査対象10,000社、回答企業2,013社)ですが、これによると45%の企業が「6~7割程度」で最多です。
8割以上を維持する企業も約4割あるんですね。
| 賃金水準 | 企業の割合 |
|---|---|
| ほぼ同程度 | 15% |
| 8~9割程度 | 24% |
| 6~7割程度 | 45% |
| 4~5割程度 | 6% |
| 3割以下程度 | 1% |
| その他 | 8% |
| 計 | 100.0% |
出典:内閣府「令和6年度 年次経済財政報告」(2024年8月)
第3-3-21図、付注2-1「人手不足への対応に関する企業意識調査」の概要
定年後の給与 世間一般の水準を調べました
ここでは、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」から、40歳以降の「所定内給与額」を掲載しておきます。
男女計では55~59歳をピークに、60歳以降は所定内給与額が低下する傾向がみられます。
なお、ここでいう「所定内給与額(月額)」には時間外勤務手当、深夜勤務手当、休日出勤手当などの超過労働給与は含まれません。
また、月額なので賞与・ボーナスは含まれていません。
男女計
| 年齢 | 所定内給与額 (月額) |
|---|---|
| 40~44歳 | 36.4万円 |
| 45~49歳 | 37.8万円 |
| 50~54歳 | 38.9万円 |
| 55~59歳 | 39.6万円 |
| 60~64歳 | 32.9万円 |
| 65~69歳 | 28.5万円 |
| 70歳~ | 26.1万円 |
男性
| 年齢 | 所定内給与額 (月額) |
|---|---|
| 40~44歳 | 39.8万円 |
| 45~49歳 | 42.1万円 |
| 50~54歳 | 43.8万円 |
| 55~59歳 | 44.6万円 |
| 60~64歳 | 35.9万円 |
| 65~69歳 | 30.4万円 |
| 70歳~ | 27.6万円 |
女性
| 年齢 | 所定内給与額 (月額) |
|---|---|
| 40~44歳 | 30.4万円 |
| 45~49歳 | 30.6万円 |
| 50~54歳 | 30.5万円 |
| 55~59歳 | 30.6万円 |
| 60~64歳 | 27.1万円 |
| 65~69歳 | 24.1万円 |
| 70歳~ | 22.6万円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日)
「学歴、年齢階級、勤続年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額 産業計」
同じように定年後の再雇用のボーナス水準については下の記事に掲載しています。
併せて参考にしてください。
⇒ 定年後の再雇用でボーナスはどうなる? 大幅減額、もらえない場合も
なぜ再雇用で給与は減るのか
給与が減る直接的な理由は、再雇用のために会社との間で契約し直すことにあります。
高年齢者雇用安定法では定年は60歳以上とされてますが、60歳以上の雇用については下の3つのうちどれかを選択することになっています。
- 定年の廃止
- 65歳まで定年を引上げる
- 65歳までの継続雇用制度を導入する
多くの会社は3つ目の「継続雇用制度を導入する」を選択していて、この継続雇用制度で、従業員が定年を迎えた際にあらためて契約し直すことにしています。
その際に会社には従業員を定年前と全く同じ条件で再雇用する義務はありません。
よって会社としては正社員から嘱託、契約社員に変更することも可能ですし、その他の労働条件も変更し新しい雇用形態で労働契約を結ぶことができます。
再雇用の給与についても、年齢によるパフォーマンス低下、業務の変更など理由を付けて給与を変更することができるのです。
なかには特に優秀な社員を厚遇する会社もありますが、上のデータにもありますように多くは数十パーセントの減給になります。
再雇用で給与が少し減って年収が大きく減ることも
定年後の再雇用の給与は60歳到達時点の60~80%程度を保証するとしている会社が多いです。
自分が再雇用される会社の規程を確認して、仮に再雇用者の給与は60歳到達時点の70%と規程されていたとします。
しかし年収はそれ以上に下がることがあります。
多くの場合、70%というのは本給(基本給)の70%という意味で、それ以外の手当などは再雇用では支払われないこともあります。
また賞与(ボーナス)も支払われないことも多く、そうなると年収ベースでは定年前よりもかなり減ってしまうことが予想されます。
筆者が知っている範囲では、本給の70%を保証されながら年収は3分の1ほどになってしまった例があります。
もともと給与に対するボーナスの割合が高い会社でボーナスが無くなり、さらに裁量労働で残業代の替わりに受け取っていた定額の裁量手当が無くなったのです。
「給与の○○%」の数字には惑わされないようにしましょう。
再雇用で給与は下がっても給付されるお金もある

給与は減らされる人が殆どですが、逆に給付されるお金もあります。
高年齢雇用継続給付金
60歳以上65歳未満の人が再雇用も含めて継続雇用される際に、60歳到達時の賃金月額の75%未満の賃金で働く場合に受け取れる給付金です。
雇用保険の被保険者期間が5年以上あることが条件で、給付額は各月の新賃金の最大15%相当額です。
例えば60歳到達時点で賃金月額が40万円だった人が再雇用で20万円に減った場合は3万円が給付されます。
老齢厚生年金、老齢基礎年金
再雇用で働いていても65歳になれば老齢厚生年金と老齢基礎年金が給付されます。
誕生日によっては、それよりも前に「特別支給の老齢厚生年金」を給付される人もいるでしょう。
これらの年金は再雇用で働いていても給付されますが、再雇用の賃金の額によって一部、または全部の給付が停止されることがあります。
65歳以上の場合、老齢厚生年金の基本月額と再雇用の賃金月額の合計が65万円を超えると老齢厚生年金の一部または全部の給付が停止されます。
60前半で“特別支給の老齢厚生年金”を給付されている人は、この年金の月額と再雇用の賃金月額の合計が65万円を超えると年金の一部が停止されます。
再雇用、再就職どちらがトク?

定年を迎えた人が働きに行く場は再雇用だけではありません。
いま勤めている会社を退職して別の会社に再就職する方法もあります。
どちらがいいんでしょうか?
再就職のメリット、デメリット
まず再就職を選んだ場合に考えられるメリット、デメリットを考えてみます。
再就職のメリット
- 新しい就職先が見つかるまで求職中は失業手当(失業保険給付、雇用保険の基本手当)が支給される。就職先が決まったら再就職手当が支給される
- 現在の会社よりも仕事内容、給与、通勤などの条件が良い会社が見つかることもある
- 再就職先で給与の額によって高年齢再就職給付金が給付される(最大2年間、受給要件は再雇用の高年齢雇用継続給付金と同じ)
再就職のデメリット
- 資格や特別なスキルなど他の人よりもアドバンテージがないと希望する職種や給与の条件を満たす会社が見つかりにくい
- 職場の環境が事前には分からず入社後に問題に気づくことがある
- 職場で新たに人間関係を構築しなければならない
- 再就職できなければ働く場がなくなる
再雇用のメリット、デメリット
最雇用の場合はどうでしょうか
再雇用のメリット
- 職場の環境、人間関係などが予め分かっている、慣れている
- 自分が担当する業務内容が具体的に分かっている
- 給与が下がっても高年齢雇用継続給付金である程度はカバーできる
再雇用のデメリット
- 職場の人間関係に問題があっても環境を変えられない
- 仕事内容の変更を希望しても叶えられないこともある
- 給与に不満があっても、これまでの実績や会社の規定で決められてしまっている
オススメは再雇用
再雇用では、これまでの職場で、これまでとほとんど同じ業務に携わることが多いです。
したがって定年になって再雇用に切り替わってもストレスなく業務に入ることができます。
再雇用では1年毎に契約を更新することが多いですから、勤め始めても1年毎に辞めるタイミングがあるとも言えます。
ですから、まずは再雇用で契約して働きながら、働き甲斐、他の収入、年金受給などの状況の変化を勘案して毎年の契約更新を検討することをお薦めします。
定年後の再雇用で給与はどれぐらい下がる?:まとめ

60歳以上の継続雇用が法的にも進められた結果、誰でも希望すれば再雇用されるようになったことはありがたいことです。
ただし正社員から契約形態が変わることで給与や賞与(ボーナス)が下がったり勤務日数、休暇、手当など変更される条件もあります。
自分の場合はどうなるのか、あなたのライフプランにも大きく影響しますので、まずは会社の再雇用制度を一度は確認してみることをお薦めします。
なおライフプランを立てる際は、他の収入や支出といっしょにシミュレーションを行うことになりますので金額はできるだけ早く把握しておきましょう。
⇒ ライフプラン考えるなら将来の収入を漏れなく入れるべし!主な項目をピックアップ
定年後の再雇用のボーナス水準については下の記事で調べています。
⇒ 定年後の再雇用でボーナスはどうなる? 大幅減額、もらえない場合も
お金の基礎知識は誰にでも必要です
今回の記事で取り上げたテーマのほかにも、人生で「お金」に関わるシーンはたくさんあります。
その際に基本的な知識が有るか無いかで、結果が大きく違ってきてしまうことがあります。
幅広いお金の基礎知識を学ぶにはFP(ファイナンシャルプランナー)の資格を目指すのが効率的です。
下の記事では、FP(ファイナンシャルプランナー)の資格が自分のためにも役立つ代表的なシーンを9つ紹介しています。
さらっと読める記事ですので、ぜひチェックしてみてください。
⇒ ファイナンシャルプランナー資格が自分のためにも役立つ9つのシーン!何級まで取ればいい?





