ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を目指す人にとって、最初の目安となる資格がFP2級やAFPです。
レベル的にはほぼ同じと言われるこの2つの資格ですが違いが分かりにくく、どっちを目指せばいいのか迷いますね。
結論としては、自分の知識を深めて生活に活かすのがメインの目的であればFP2級、資格を仕事に活かし、さらに上を目指すのであればAFPを目指すのが良いでしょう。
この記事ではFP2級とAFPの違いを説明しますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
AFPとFP2級の違い
まずAFPとFP2級の位置付けや、資格を取得するのに必要なスキルの違いを説明します。
AFPは民間資格、FP2級は国家資格
AFPは日本FP協会の民間資格であり、FP2級は国家資格(厚生労働省)です。
- AFP(Affiliated Financial Planner):NPO法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)
- FP2級(2級ファイナンシャルプランニング技能士):厚生労働省
国家資格であるFP2級は知識レベルの認定の意味合いが強く、試験を受けて一度合格すれば終生の資格になります。
いっぽう日本FP協会のAFPは、知識を仕事に活かす、そして社会に貢献することを目的とした資格なので、認定後も研修などで単位を取得して2年毎に資格を更新する必要があります。
国家資格と民間資格の違いについて下の記事でも説明していますので参考にしてください。
⇒ FP(ファイナンシャルプランナー)には国家資格と民間資格が!?種類の違いは何?
FP2級には無いAFPの特徴
上でも書きましたようにFP2級は試験を受けて一度合格すれば、とくにそれ以上は何もしなくても資格を維持できます。
それに比べて民間資格のAFPは、日本FP協会に入会することになり次のような特徴があります。
入会金・年会費が必要
AFPは日本FP協会の資格ですから、認定されるためには日本FP協会に入会する必要があります。
- 入会金: 10,000円
- 年会費: 12,000円
これらは会員向けのサービスの他に、一般向けの啓発イベントなどにも使われます。
会員向けのサービスが受けられる
日本FP協会では一人一人のFPのレベルを維持し向上させるために、さまざまな活動を行っていて、入会すると次のようなサービスが受けられます。
- 日本FP協会や各地の支部が開催する各種の研修やイベントに参加できる
- 業界の最新トピックスなど掲載された月刊誌「FPジャーナル」が毎月配布される
- 地域ごとのスタディグループ(SG)に参加できる
2年毎に更新が必要
FPとしてのレベルを維持するためという目的で、AFP資格は2年毎の更新となっています。
研修参加やその他の活動で所定の単位数を取得して更新手続をすることが必要です、これができないとAFP資格を失ってしまいます。
AFP資格を取って取りっぱなしするのではなく、FPとしての意識を持って継続して勉強してもらうことが趣旨かと思われます。
ただし所定の単位数の取得はそれほど大変ではありません。
下の記事に書きましたように、3,000円以内で、早ければ数時間で更新に必要な単位を取得する方法もあります。
⇒ AFPの継続教育 最も安い おすすめは?5社の研修を比較ランキング!
AFPとFP2級の資格取得に必要なスキル
日本FP協会によるとAFPに認定される資格登録要件は次の2つを両方とも満たすことです。
AFP認定研修には後述するように2種類ありますが、両方に共通する必須の内容が「提案書の作成」です。
つまり国家資格のFP2級に合格していて、AFP認定研修で提案書の作成スキルを身につけていれば、AFPとして認定されます。
- FP2級の取得に必要なスキル: FP2級までのFP知識
- AFPの取得に必要なスキル: FP2級までのFP知識 + 提案書作成スキル
AFP、FP2級になるには
詳しくは下の記事で説明していますが、この記事でも簡単に書いておきます。
⇒ AFPの取り方は?FP2級になるには?取得の流れを図で分かりやすく説明!
AFPになるには
AFPに認定されるには日本FP協会が認める「提案書の作成」スキルが必要なので、それを修得できるAFP認定研修の受講が必須となります。
ただしAFP認定のもうひとつの条件であるFP2級をどのように取得するかによって、AFP認定研修は「基本課程」と「技能士課程」の2種類が用意されています。
基本課程 | ・FP2級までの知識と「提案書の作成」スキルを学べる ・研修を修了すればFP2級の受験資格が得られる ・FP2級に合格すればAFPに認定される |
技能士課程 | ・「提案書の作成」スキルを学べる ・FP2級かFP1級に合格していると受講できる ・研修を修了すればAFPに認定される |
ですから、AFPの資格登録要件を満たす2種類の進め方があります。
- FP2級までの知識と「提案書の作成」スキルを学ぶAFP認定研修(基本課程)の修了後にFP2級の試験に合格し、AFP資格登録要件を満たす
- FP2級(またはFP1級)を合格してからAFP認定研修(技能士課程)で「提案書の作成」スキルを学び、AFP資格登録要件を満たす
どちらのコースを選ぶかは本人次第で、どちらを選んでも問題ありません。
2種類のAFP認定研修「基本課程」と「技能士課程」については下の記事で説明していますので参考にしてください。
⇒ 【AFP認定研修】基本課程の おすすめは? 安い費用&内容で選ぶならアーティス!
⇒ AFP認定研修 おすすめは?FP2級に合格済みなら技能士課程!10社の講座を比較!
FP2級になるには
FP2級は試験を受けて合格するすれば資格を取得できますが、FP2級の受験資格を得るには次の3つの方法があります。
- 上のAFP認定研修(基本課程)を修了する
- FP3級(または金融渉外技能審査3級)に合格する
- FP業務の2年以上の実務経験
1つ目のAFP認定研修(基本課程)の修了以外で受験資格を得る場合は、別途、FP2級(場合によってはFP級も)の受験勉強をする必要があります。
通信講座も整備されてますので気になる下の記事もチェックしてください。
⇒ FPの通信講座ランキング!資格の目標別に受講料が安い おすすめの講座を紹介
AFPとFP2級 どっちを目指すべき?
ここまで読まれた人はお分かりと思いますが、AFPとFP2級は資格取得時点のFPとしての知識レベルは同程度です。
AFPはそれに加えて提案書作成スキルを修得していて、さらに日本FP協会に入会することで最新情報を得たりスキルを修得したりする環境があります。
AFPとFP2級のどっちを目指すべきかの目安は、おおむね次のようになります。
FP2級を目指す人
- FPの知識は自分の個人的な生活やライフプランに活かすのが目的
- 周りの人の相談に乗ることはあっても、FPの資格を活かした仕事をする予定はない
AFPを目指す人
- FPの資格を活かした仕事をする希望または予定がある
- 知識を深め専門性を高めて、ゆくゆくはCFPを目指す
FPとして仕事をする予定の無い人やCFPを目指さない人にとってはAFPはデメリットもありますから、よく見極めて判断しましょう
なおAFP資格を維持することのメリット、デメリットについては下の記事説明していますので参考にしてください。
⇒ AFPを更新しない選択は「あり」? メリット/デメリットよく考えよう
AFPとFP2級の違い:まとめ
国家資格であるFP2級は受験者の知識レベルの認定の意味合いが強く、資格を取得した人の生活やライフプランの改善に活かす資格です。
いっぽう日本FP協会のAFPは、知識を仕事に活かして、それによって社会に貢献することを目的とした資格です。
このような違いを意識してご自身の目指す資格を考えてみてください。
なお具体的な資格の取り方や通信講座については下の記事で説明していますので参考にしてください。
⇒ AFPの取り方は?FP2級になるには?取得の流れを図で分かりやすく説明!
⇒ FPの通信講座ランキング!資格の目標別に受講料が安い おすすめの講座を紹介